【A-2 FLIGHT JACKET】
1932年それまでのフライトジャケットを覆す画期的なライトゾーンモデル「A-2」が登場します。
適応気温域はライトゾーンと呼ばれる10℃~30℃の夏季用フライトジャケットです。
何が画期的だったのかと言えば、ボタン式だったそれまでのフライトジャケット(A-1など)に対して、A-2ではファスナー式が初めて採用されました。
これにより機能性が飛躍的に向上し、後のL-2に続くフライトジャケットのスタンダードとなりました。
しかし、A-2が他の飛行服と比べて格別にフューチャーされている理由はそれだけではありません。
第二次世界大戦時に活躍したA-2ですが、終戦後本来軍に返却しなければならないにも関わらず、紛失扱いにして持ち帰ってしまうパイロットが続出しました。
これはA-2の画期的で洗練されたデザインもさる事ながら、パイロットにとってのA-2とは一人前の証であり、誇りであり、宝物であったからです。
この様な背景からA-2は「キング・オブ・フライトジャケット」として多くのファンとパイロットに愛され、1988年には念願の復活。
空軍を象徴するフライトジャケットとして再び表舞台に登場しました。
A-2と言えば何と言っても大型の襟!
因みにA-2には台襟付きと台襟無しがあるのでどちらも正しいカタチです。
A-2の襟元はホックになっています。
ポケットは、特徴的な大型パッチポケットですが、そもそも手を突っ込めない様に出来ています。
これは「選ばれし航空隊が手を突っ込むなんてだらしない!」という事で、ついつい手を入れてしまうサイドポケットを付けられていません。
スナップボタンでフラップは留められる様になっており、内側にあってボタンは外から見えません。
当時、戦闘で5機以上を撃墜したエースにのみ許された、ライニング(裏地)を真紅のシルクにした特別仕様が存在しました。
これは決してアメリカ軍の規定などではなく「ゼムケズ・ウルフパック(ゼムケの狼群)」と呼ばれ恐れられた第56戦闘航空群が士気向上の為行ったものです。
素材
COW LEATHER
【MATERIAL】
表地 イタリア RIBA 社
今回使用したレザーはイタリアのリバー社のカウ・カーフです。
ヨーロッパ各国の主流ブランドメーカーなどでも使用している素材です。
カーフは、生後6ヶ月以内の、仔牛の革から採取したレザーのことを呼びます。
カウ・カーフの特徴は、しなやかな柔らかさとキメの細やかさ、革の強さにあります。
また仔牛ならではの細かなシボと皺も特徴です。
仔牛なので、傷が少ない、という利点もあり、カーフレザーは、高級ブランドに採用されていることが非常に多いです。
個体が小さいために、当然、採取できる量も少なくなり、カーフレザーは、非常に希少価値が高く、高級品として扱われています。
SNAP 釦
1903年、世界で最初にスナップ釦を世に送り出した老舗メーカー。
欧米の高級小物(かばん、財布、ベルトなど)にスナップが使用されている場合、Fiocchi の刻印の商品が使用されているのであれば、品質がある一定の基準を満たしていると評される程の歴史あるドット釦です。
80年代にドイツの Prym 社に買収されてしまったのですが、弊社提携工場が当時の Fiocchi の在庫を買い占めた事で今回も採用しているのは、Fiocchi ITALY の刻印が入った本物のボタンです。
HOOK
A-2用の2連ハトメのHOOKを採用しています。
ハトメが表に出てくる珍しいHOOKでこういうパーツにより当時の趣を装います。